アクラ・ヴァシム

甲殻種

フロンティア4番目のオリジナルモンスターは、ザザギザシェン組以来の甲殻種です。
サソリに似たビジュアルですが、歩脚の数は現実のサソリより2対少なくなっています。
怒り状態がない、部位破壊すると体の色が変わって行動や肉質が変わっていくなど、
今までのモンスターにはない実験的なシステムが採用されています。

…そのせいで弓使いの私の嫌いなモンスターの一つに。
ビジュアルとか設定とか生態は好きなんですけどね。
(だからこのページは文章が長いww)

このエスピナスやアクラ・ヴァシムはフロンティアの実験的モンスターだといえます。
この二種である程度方向性を獲得したフロンティアは、
“見た目やエフェクトが派手”なモンスターか、
“変わったシステムを搭載した”モンスターを連発するようになります。
特にアクラ・ヴァシムのシステムは後のタイクンザムザに生かされています。


さて、アクラヴァシムには亜種もいます。
が、その亜種は「アクラ・ヴァシム亜種」とは呼ばれずに「アクラ・ジェビア」と呼ばれています。
見た目も微妙に異なる為、生物的に見て別種なのか、
本来の意味での亜種なのかはわかっていません。

公式設定に基づく生態解説

アクラ種はかなり長い期間をかけて、大発生と大衰退を繰り返しているようです。
詳しいメカニズムは不明。
この栄衰の謎は、今後の研究が待たれるところ。


アクラ・ヴァシムの甲殻は、元々の甲殻の上にコーティングを施した頑丈な物です。
この時コーティングに用いるのは尾から分泌する体液。
速乾性で硬質化するこの体液を使って、戦闘等で傷ついた身体を補修するという習性があります。
このため、甲殻をスライスすると断面が層のようになっているようです。

またハサミや胴体は、体液が結晶化して水晶のようになっています。
尾部の腺周辺は、より大きな結晶を纏っています。

アクラの使う体液は結晶化体液だけではありません。
麻痺成分を含む体液や、身体能力を引き上げる体液など数知れません。

身体能力を上げる体液は、自らが窮地に陥ると分泌します。
効果の度合いによって体液の色が異なり、無色→黄→蒼→紅と変化します。
これは、体液自体が変質しているためでしょう。
しかしながら、詳しい変色システムは不明です。
なお、変色後にアクラが死亡すると、体液は変色時の色のまま残る仕組みです。

もう一つ特徴的な体液は、尻尾の結晶を爆発させる体液です。
この体液を結晶質に送り込むことで、爆発をさせるようです。
(にしても体内で爆発しないのが不思議。
空気に触れると急激に膨張したりする性質なのでしょうか。)

妄想を含む生態考察

獲物をおびき寄せる道具や武器として用いています。
普段は地面に潜り、尻尾だけ地表に出しているのです。
生き物が近くを通りかかると、尻尾を僅かに揺らして気を引きます。
興味を持って近づいてきた生き物を、地中から襲うという寸法です。


が、見知らぬ物に興味を持つのは哺乳類の子供か人間、一部の鳥類くらいです。
つまり、元々知能が高い生物。

それ以外は警戒するか、本能的に近づきません。
近づいたとしてもそれは結晶に誘われたからではなく、
たまたま近くを通りがかった、くらいのものでしょう。
つまり、この尻尾は誘引の道具としては不完全なのです。
まして、砂漠という環境では生き物の数自体が少ないのでさらに非効率的です。


あるいは、“結晶を使い、月光を反射させて獲物を誘う”のかもしれません。
確かに光に誘われる生物は沢山いますし、砂漠という遮蔽物の少ない環境ならより目立ちます。
しかし走行性の原理からすれば、集まってくるのはせいぜい飛行昆虫類くらいのはず。
アクラ種が中〜大型の生物を狙うのだとすれば、
さらにその昆虫類を捕食する大型生物を待たなければなりません。

走光性についてはブナハブラの記事も参照。


アクラ種にはもう一つ謎があります。
それは、幾層にもコーティングされた甲殻です。
長く生きた個体ほど厚い層ができているとされていますが、サソリ含む節足動物は脱皮をして大きくなる生物。
つまり、脱皮をするたびにコーティングも剥がれてしまうはずなのです。

脱皮が終わるたびに体液を使ってコーティングするのかもしれませんが、
そうであるならば層の厚さと年齢は関係ないかもしれませんね。

名前やビジュアルの由来

トルコ語・アラビア語でサソリを意味する「アクラ」とソロモンの魔神72柱の一「バティム」の合成語。

「バティム」は「バシム」「バティン」とも言い、“蒼ざめた馬”に乗って蛇の尾を持つ男の姿で表されます。
このバティムのイメージと、サソリのビジュアルを組み合わせたものがアクラ・ヴァシムです。